ヴァチカンの音楽財団より“名誉賞”を授与します と正式に連絡があったのが9月頃でした。
目の前の本番に集中する日々を終え、
ローマに入りました。
授賞式はローマの音楽アカデミーのホールで開催されました。
古楽器オーケストラ・ソリスト・合唱団が演奏する中、
枢機卿長の名において
枢機卿さま、アーノンクール氏と共に授与されました。
“オラショ(祈り)”を復元しヴァチカンに戻した事とそれらの指揮に対しての受賞でした。
去年の招聘が決まった時、ヴァチカン側から決められた曲の他に何か意見がありますか?
と聞いて下さいました。
私からは
長崎県平戸市生月島にザビエルたちが伝えた“オラショ”が遺っている事、
禁強の時代を口伝のみで乗り越えてキリシタンたちが守った歌が今も遺っている事、
そのオリジナルをヴァチカンに戻したい、
と申し上げ
ヴァチカン側がその3曲について調査を始めました。
しばらく経ってようやく、その“オラショ”3曲は
確かに“聖歌”ですと正式にヴァチカンに認められたと連絡がありました。
そして去年サンピエトロ大聖堂にオラショが甦りました。
今年はヴァチカン側より
『ローマ教皇の名による枢機卿長による代理ミサ』
での指揮を任され、
“オラショ”3曲が入ったプログラムを与えられました。
授賞式の時、枢機卿長はじめヴァチカンの方たちに
大変名誉な有難いお言葉を頂戴しました。
この賞も、
大変名誉なお言葉の数々のお言葉も全て、
“オラショ”を数百年口伝して守ってきたキリシタンの方たちに捧げます。