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【世界遺産 長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産】~スタッフより

西本智実&イルミナート合唱団がヴァチカンで演奏してきました「オラショ」について

平戸市史跡に解説文が掲げられました。


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下記解説文より

【生月島かくれキリシタンのオラショ】

平戸市指定文化財・一部氏屋敷跡、壱部浦北児童遊園

壱部浦北児童遊園の場所は、通称「お屋敷山(お屋敷様)」と呼ばれ、

戦国時代に生月島北部を治めた一部氏の屋敷跡とされる。

1557年、一部勘解由(ルビ:いちぶかげゆ)は、

実兄で島南部を治める籠手田左衛門安経(ルビ:こてだざえもんやすみち)とともにキリスト教に入信し、

領民とともに熱心にキリスト教を信仰し、

禁教令が公布されるまでの約40年間は、生月キリシタンの黄金期となった。

しかし平戸藩の禁教圧力により、慶長4年(1599年)籠手田氏とともに一族郎党約600人を引き連れて生月島を退去した。

その後の禁教時代、信者は潜伏キリシタンとして信仰を続ける中でこの地を聖地として祀り、

8月29日を一部氏の命日として祭を行ってきた。

・昭和42年3月 旧生月町が壱部浦北児童遊園として整備を行う。

・昭和46年3月 「一部氏屋敷跡」として生月町指定史跡となる。

・平成17年10月 市町村合併により、平戸市指定文化財となる。

・令和2年3月 壱部浦北児童遊園の再整備を行う。

 再整備の財源はカトリック山田幼稚園を運営していた学校法人うみのほし学園からの一般寄付金による。


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今も受け継がれるオラショ

生月島では主に在部(農村部)の壱部、堺目、元触、山田の四集落でかくれキリシタン信仰が継承されてきた。

オラショは同信仰で唱えられる祈りで、

その起源は戦国~江戸時代初期のキリシタン信仰に求められる。

キリシタン信者は祈りを熱心に覚え、教会のミサや組の行事などで唱えていたが、

慶長5年(1600年)出版の『どちりいなきりしたん』には、

オラショは、信者の思いや願いを天に伝えるために唱えるものとされていた。

禁教時代に入っても、生月島では表向き仏教や神道を受け入れながらキリシタンの信仰形態が維持され、

オラショの文句もほぼそのまま継承されてきた。

生月島では、男性が声を出して暗唱される禁教以前のスタイルが保持されている。

主な唱え方には30程の祈りを連続して唱える「一通り」「一座」と、

10程の祈りを唱える「六巻」がある。

祈りの中には音程を付けて歌われる唄オラショもあり、

山田集落には日本語で歌われる唄オラショ「サンジュワン様の唄」「ダンジク様の唄」が残る。


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壱部集落の唄オラショ「グルリヨーザ」

壱部集落の「一通り」では、

最後の方で唄オラショ「ラオダテ」「ナジョウ」「グルリヨーザ」が歌われる。

このうちグルリヨーザは、16世紀にスペインで歌われていたグレゴリオ聖歌である事が確認されている。

この唄はスペインではトレント公会議の方針でローカル聖歌の廃止が打ち出されたために歌われなくなったが、

それ以前に生月島に伝来し、禁教によって信仰形態が固定された事によって、

今日まで伝わる事になったのである。

厳しい禁教の時代を含め、450年以上の時を経て今日まで伝わっているこの唄は、

日本に西洋音楽が伝来した最初の状況を示すものとして、

学問的にも高く評価されている。

なお、「オラショ」の原曲「グレゴリオ聖歌」は

2013年にサンピエトロ大聖堂に於けるミサ(第12回ヴァチカン国際音楽祭)で、

指揮者・西本智実(注)によって約450年の時を経て演奏された。

(注)西本智実:世界的指揮者で2013年より平戸名誉大使。母方の先祖が平戸市生月島生まれというルーツを持つ


※以下『洋楽渡来考』より引用


○スペインの聖歌「O gloriosa Domina」


O gloriosa Domina, Excelsa super sidera,

Qui te creavit, provide, Lactasti sacro ubere.

Quod Heva tristis abstulit, Tu reddis almo germine;

Intrent ut astra flebiles, Caeli fenestra facta es.

Tu Regis alti janua, Et porta lucis fulgida;

Vitam datam per Virginem Gentes redemptae plaudite.

Gloria tibi Domine, Qui natus es de Virgine,

Cum Patre et Sancto Spiritu

In sempiterna saecula. Amen.[Jesu.SantaMaria]



○生月島壱部の唄オラショ「グルリヨーザ」


ぐるりよーざどーみの、えくせんさ、すうーでら しーでら、

きてや、きゃんべぐーるりで、らだすで、さあくら おーべり、

こてはてーす、べーさーすとり とりべ じゃーるもの、じゃーんめーら、

いんてらりんてら、たーつ、だつびーるひーで、せにせにー、つらばすとーる、

とりで じゃーるのる、じゃーんの えすぽんた、ぶーるせつびーる、ぜんな

えたんで、たーんで、びーるぜんな、ぜんてす、でれすで、ぐるーりで、

ぐるりや、てーんな どーみの、きにょと、せーつ、れつびーるぜんな、

こんぱんちゃ、さーんと、すべらべんつひー、

にせんぺーてんのせーくろ、せくらんめいぞーさんたのむ。


○聖歌の訳「栄えある聖母よ」


栄(は)えある聖母よ、星空高く居ます御方、

御旨(みむね)によりあなたを創られた御方を、聖(きよ)い乳房で育まれた。

悲しいエバが奪ったものを、あなたは恵みの若芽でとり戻される。

嘆きの星々のために、天国の通い路となられた。

王の高い扉、光かがやく門。贖(あらが)われた人びとよ、

マリアにあたえられた生命を、手をうち鳴らして賛美せよ。

マリアより生まれたもうた主に栄光あれ、

また聖なる御父と聖霊にも、世々かぎりなく。アーメン。[イエス、聖マリア]


以上、解説文より


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【世界遺産 長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産】~スタッフより_a0155408_12445061.jpg
《写真:ヴァチカン国際音楽祭 サンピエトロ大聖堂 ローマ教皇の名によるミサ》


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《写真:ヴァチカン国際音楽祭 サンパオロ大聖堂》


2013年ヴァチカン国際音楽祭にアジアの団体として史上初めて招聘された 

西本智実指揮 イルミナートフィルハーモニーオーケストラ&イルミナート合唱団は、以降毎年招聘されています。

そして初招聘当初より、サンピエトロ大聖堂におけるミサにて毎年演奏しているのが、

平戸市生月島に口伝されている「オラショ」の原曲であるグレゴリオ聖歌「オラショ」です。


~平戸市と「オラショ」と西本智実&イルミナート~

世界文化遺産の構成資産を有する平戸市に於いて

2014年には

《西本智実指揮 イルミナートフィルハーモニーオーケストラ

「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」世界遺産登録推進コンサート》が開催。

同年のヴァチカン国際音楽祭国内演奏会及び、

世界遺産に登録された2018年平戸市での

《世界文化遺産 長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産

西本智実&イルミナートフィル 世界遺産登録記念コンサート》では、

生月壱部かくれキリシタン信者の方々による「唄オラショ」と、原曲グレゴリオ聖歌「オラショ」との歴史的な共演が実現しました。



~ヴァチカンと「オラショ」と西本智実&イルミナート~

ヴァチカン国際音楽祭初招聘の際、生月島に母方のルーツを持つ西本智実が、

サンピエトロ大聖堂での《枢機卿ミサ》において「オラショ」の演奏を強く希望。

ヴァチカンによりグレゴリオ聖歌であることが認められ、

原曲グレゴリオ聖歌「オラショ」は、約450年の時を経て、

2013年ヴァチカンに還され演奏されました。

そして2014以降毎年、

カトリックの総本山サンピエトロ大聖堂において

サンピエトロ大聖堂主席司祭 A・コマストリ枢機卿が執り行う

《ローマ教皇の名によるミサ》において、

西本智実&イルミナート合唱団により演奏され、

ヴァチカン放送他を通して世界中に届けられています。


また、同音楽祭の音楽財団より、

2014年には西本智実が最年少で『名誉賞』を授与され、

2017年には同音楽祭レジデントオーケストラ(ウィーンフィル)に続く

『ヴァチカン国際音楽祭 名誉賞パートナーオーケストラ&合唱団』の称号が

イルミナートフィルハーモニーオーケストラ&イルミナート合唱団に授与され、

システィーナ礼拝堂合唱団他と共に

《ローマ教皇の名によるミサ》での演奏を務めています。










by tomomi-nishimoto | 2020-10-29 12:46
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