西本智実オフィシャルブログ 『智さんの小部屋』

5年前、ヴァチカンでの演奏前に

ボルゲーゼ美術館に行きました

大理石に人間の意図をいれる

人間の弾力性や体温、声まで聞こえてきそうです

Miracle of Baroque Art

サン ピエトロ大聖堂に於けるミサでの演奏は

ベルニーニとミケランジェロの作品に囲まれての演奏。　

今月の出来事と思えない、、

毎回夢かと思います。

夢だったのかな？

日本フィル定期公演をおえて、東北地方へ出張中です。

秋田では白鳥たちの群れに出会えました。

この日、私の目の前に広がった情景は「白鳥たちの田んぼ」！

また異なるストーリーが生まれてきますね！

TVer にてご覧いただけます。

東寺音舞台の芸術監督として最も伝えたかったメッセージは 「調和」「繋ぐ」「生きる力」。

般若心経が音楽の中で唱えられ、

音写の部分は音楽と重ならないようにしました。

出演者全員による

アポテオーズ（Apotheose）は

オペラ「トゥーランドット」より。

合唱の歌詞の意味は

おぉ 太陽よ！生命よ！永遠よ！

この世の光と愛よ！

笑い 歌い 太陽の下で 我らの限りない幸せが！

あなたに栄光がありますように！

あなたに栄光がありますように！

栄光がありますように！

最後は五重塔を見上げ、梵鐘が2度鳴り響き幕切れとしました。

今夜のテレビ放送では、時間の限りもあり割愛した作品もあると伺っています。

大変な猛暑の中、大石裕香さん、MIYAVIさん、上野耕平さん、笛田博明さん、ナターシャ•グジーさん、オーケストラ、合唱団、スタッフの皆さんが高い集中力を長時間持続しながら、連携して創り上げた東寺音舞台。

皆様に心からの敬意と感謝を捧げます。

ありがとうございました。

西本智実

東寺音舞台2023①  

東寺音舞台2023② 

東寺音舞台③

東寺音舞台④ 

東寺音舞台⑤「選曲」

東寺音舞台⑥「構成の柱」

東寺音舞台⑦「繋ぐ」　

東寺音舞台⑧「余白を作る」

私は濡れたタオルを首と身体に巻きつけて

熱中症対策をしながらの指揮となりました！

MBS音舞台Twitter

ここ数年の音舞台は、雨天が続いているとの事で

MBS制作部からは、演奏場所やオーケストラの編成について雨天荒天となる場合を念頭に置くこと、

演出部からは下記の3️⃣つのご提案がありました。

1️⃣MIYAVIさんチームは、独立したパートにする事。

東寺音舞台を一幕の舞台にする構想を持っていたので、

MIYAVIさんチームの最後の楽曲でSAXの上野耕平さんに共演していただく事で、

上野さんのソロ楽曲に繋げ、以降ソリストはバトンを渡していくようにする。

そうすることで、MIYAVIさんは独立しながら全体との繋がりも持てると考えました。


2️⃣（雨天荒天を予測して）ある部分は、あらかじめ録音しておく。

録音済み音源と生演奏が共奏する部分がある事で時差の難しさ、テヌートやフェルマータの難しさ！はありましたが、実験的な試みにもなりました。

3️⃣ 最後は視聴者も馴染みのある楽曲で
出演者全員は大団円にしてほしい　

アポテオーズ（Apotheose）が閃いた。
楽曲はホルスト作曲　組曲「惑星」より〈ジュピターにする事で、ソリストや合唱、僧侶の皆さまも全体の共演ができると確信しました。
僧侶の皆さまには、この楽曲の中で「般若心経」を唱えていただく事は可能でしょうかとご提案しましたところ
「できます」と連絡がありました！
この事で東寺音舞台は、声明が全体を貫く構成となりました。

私は、コロナ禍で立ち止まった時、
未来の世界を想像し、同時に原点回帰もしました。
これまで、研究会などでも取り上げてきました
世界で最も古いとされている
「セイキロスの墓碑銘」と
「惑星」より 〈ジュピター〉を一曲に繋げたいと考えていました。

この2曲を1曲になるよう、日本を代表する作曲家香月修先生に作曲委嘱。
ここに「セイキロス〜古代から宇宙へ」が完成しました。

MBS演出部黒田さんから、セイキロスとジュピターの間にMIYAVIさんのアドリブ（ad lib）ソロを入れたいとご提案があり、
曲間に余白を作っておいた事が功を成しました！

ソリストの皆さんとお目にかかれたのは本番前の東寺でのリハーサル時でしたので、

音楽的打合せもその時が初めてのタイトなスケジュールでした。

MIYAVIさんからは、このad libはアコースティックギターかエレキギターのどちらが良いかと質問があり、ぜひアコースティックギターで！とリクエストしました。

古代のセイキロスから宇宙のジュピター（木星）へと

音楽で時空を超越したかった


余白があれば面は作れる

⑨へ続く